を見まもった。
「それを、あたしとサト子とで糶《せ》るわけ?」
「私としては、だれに売ったっていいのだが、あなたを除外するとおさまらないでしょうから、こんな余計なこともするんです」
「そんなら、オプションなんか、することはないわ。父の遺言どおりに、そっくりサト子にやったらいいじゃありませんか」
一座が、しんとした。どこかで鶯《うぐいす》が鳴いている声が聞えた。
「坂田さんはひとが良いから、父の妄想をいたわってやる気で、一ドルも払ったのでしょうが、あたしは父を愛していないし、ムダなことは大きらいだから、ただの十円だって出したくはありませんね」
有江が、つぶやいた。
「水上が、なぜ長女に遺産を譲りたがらなかったか、ミイにも、よくわかったよ」
由良が手きびしくやりかえした。
「父と同様、あなたもだいぶオメデタイかたのようだわ。十二億六千万円……なんという夢を見たんでしょう? 山師だの山見《やまみ》だのという連中は、熱にうかされた子供みたいなもんだから、アメリカ人の空《から》約束で、ひと財産、つかんだような気になったのでしょうが、苗木の谷になにがあるというんです?……行ってみて、あきれて
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