の……怒鳴りこみに行ったんだけど、抱きついて泣いちゃったわ……あたし、なにを言ってるのかしら?」
「伺っています……もっと、おっしゃって」
「あなたって、いいひとだわ……いずれ、わかるでしょうけど、神月とあたしのしたこと、悪く思わないでね……神月は、悪党というのじゃないのよ。もういちどだけ浮びあがりたいと思って、あせっただけなの……ブラジルに、先代が買った土地があって、神月はそこで農園をやりたいので、秋川に五百万円くらい出させたかったんだけど、言いだせないもんだから、死んだ夫人《おく》さんの古い恋文で愛一郎をおどしつけて、なんとか、ネダリ取ろうと思ったわけなのね」
「そのへんのことは、あたしも、うすうす知ってるわ」
「うちあけたところ、神月は死んだ夫人さんの手紙なんか、持っていなかったのよ……あることはあったんでしょうけど。飯島の家の屋根部屋かなんかへほうりあげたきり、どこにあるのか思いだせなかったの……そういう弱味があるので、押しきれなかったらしい……それはそれとして秋川が、だまってお金を出してくれたら、パーマーなんかと組んで、あなたのものを裏から剥ぎとりにかかるようなあくどいことは
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