うな気がするよ……苗木のウラニウム鉱山のことだが、個人の利福の問題はべつにしても、国民全体に損失を与える結果になることを承知しながら、平気な顔で、つまらない奴らのお先棒をかついでいる」
神月は、目にしみるような白いハンカチを抜きだすと、いいようすで口髭をぬぐいながら、
「そんなにまで、水上嬢に肩を入れているのか。そういえば、死んだ、夫人《おく》さんの若いころによく似ているよ、こちらは……邪推だったら、ゆるしてもらうが……」
秋川は頬のあたりを紅潮させると、愁《うれ》いを含んだ複雑な表情になって、
「つまらないことをいうね。よくよく下劣なやつでも、そんな低音は出さないもんだが」
「こちらが、亡くなった夫人さんの若いころに似ていると言ったのが、そんなに気にさわったのか……言いあてたらしいね、悪かったよ」
秋川はそれを聞き流して、サト子のほうへ向きかえ、
「いまの小切手を神月君に返してください、事情はあとで申します」
きょうは、つぎつぎと劇的な場面がひきおこる。サト子には、それがなにと理解することはできなかったが、中村が言ったことなどを思いあわせ、なにかこみいった事情があるのだろうと
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