ちがあるんだから」
神月は、底意のある目つきで愛一郎の顔を注視しながら、
「君のパパは、ひどいことを言っている。愛さん、だまっていないで、とりなしてくれよ」
愛一郎は、だしぬけに額ぎわまで赤くなった。
「え? そういう約束だったろう。困るときには助けてくれるって……」
愛一郎は、口ごもりながら秋川に言った。
「この仕事がだめになると、神月さんが困るんです……おねがいだから、邪魔をしないで」
しどろもどろになっている愛一郎を、秋川はなでるような目つきでながめてから、人がちがったような辛辣《しんらつ》な顔つきになって、神月のほうへ視線を向けた。
「機会があったら、言おうと思っていたことがあるんだが、いいかね?」
神月は白《しら》々しく煙草の煙をふきあげながら、
「なんなりと、どうぞ」
「君に仕送りをしているのを、友情のあらわれだなどと、君にしたって、思っちゃ、いまい」
「誰がそんなことを思うもんか」
「君は、貧乏するだろうという感じだけで参ってしまうような、弱いひとで、せっぱつまると、めちゃなことをやりだすんだが、そのたびに迷惑をこうむるのは、君の古い友だちや知己なんだ……あまり
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