内かくしの紙入れから、あざやかな手つきで小切手をぬきだして、テーブルのうえに置きながら、
「ギャラは、二百万円というところでおさまっていただきましょう。そのかわり、前渡しとして半分だけさしあげておきます……銀行はすぐそこだから、キャッシュ(現金)がよければ、キャッシュでお渡ししますよ」
十四日で二百万といえば、Aクラスの一流のモデルの報酬より、はるかにいい。ほかにむずかしい条件がなければ、断る理由はない。サト子は、ふるえる手で小切手をとりあげた。
「自信がないけど、いっしょうけんめいにやってみます」
秋川が、わきから口をだした。
「二百万円じゃ、安すぎる……そんな取引はない」
神月は、むっとしたように秋川のほうへ向きかえた。
「安いというようなギャラじゃない。君なら、いくら出す?」
「三百五十万ドルは出す」
神月は、ひきつったように笑いだした。
「三百五十万ドルというと、十二億六千万円か……なにを言いだす気なんだ」
あまり大きな話なので、サト子も釣られて笑いだした。秋川はサト子の肩にさわりながら、
「そんな話、断ってしまいなさい。あなたのからだは、たしかに、それくらいの値打
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