ということだが」
「いや、それほどの男じゃない」
「ビニロン・ジュポンの極東総支配人だなんて自称している、ウィルソンなんかもそうだが、あれらの系列は、去年の春ごろから、東南アジア諸国で、詐欺のような手段で、ウラニウムの鉱山を叩いているという噂があるね」
神月は白い喉を見せて、はははと笑った。
「ウラニウム?……知らないねえ。将来、放射能ファイバーなんてのが、できるかもしれないが、いまのところは、ガラスからとる繊維だけの問題だ」
「日独化繊の内容は知っているが……」
秋川は強い調子でおしかえした。
「パーマーなんていう、うろんなやつをバック・アップにするような商社じゃないよ」
神月は、とぼけた顔で、
「どういう調査の仕方をしたか知らないが、事実は事実だ。君には関係のないことだよ」
「関係のないことに、ぼくが口をだすと思うか」
食堂のほうから、食べものの匂いが、水脈《みお》をひいてラウンジへ流れこんでくる。このふた月のあいだ、たえず脅されつづけてきた、恐怖をともなう飢餓の感じが、胃袋のあたりを強く押しつける。
食うあてがなく、肉体と精神が恐怖をおこしている人間の気持を、このひとた
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