いだすものらしいわ」
サト子は、無意味な会話に疲れ、心のなかで耐えながら、なんの興味もない話をだまって聞いていた。
「シアトルの有江という公証人が、水上さんの委任を受けて、日本にある財産の整理に来ることになっているでしょう。あのひとたちが大騒ぎをしているのは、つまるところは、有江というひとが横浜に着く前に、なんとかして、じぶんのほうへ取り込もうという障害競馬の大レース……風刺劇の見本のようなものね。由良課長が笑っていたわ……出ないとはいわない。苗木の谷の斜面を五里ほども掘り崩したら、一ミリグラムぐらいのウラニウムがとれるかもしれないって」
そういうと、やりきれないといったふうに、くっくっと笑った。サト子は、つられて、
「どうせ、そんなことだろうと思ったわ」
と、いっしょになって笑いだした。
カオルは、帽子のネットをあげて、ようすよく眼を拭くと、サト子の顔をのぞきこむようにして、
「あなた、これからどうする?」
と、だしぬけに問いかけた。
なぜか、気が沈む……サト子は、どうでもよくなって、うつろな声で、言った。
「どうするって、なんのこと?」
「きょうのようなゴタゴタだけでも
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