の流し場へ駆けこんでしまった。
 カオルは、落着きはらって、
「そのひとたちの喧嘩のこしらえってのが、あたしには、おかしくってしようがないのよ。八百長でしょう? 大矢ってひとは、あなたたちと一味だってことは、これで底が割れたんだから……ねえ、曽根さん、あたしにしたって、ここまでのことは、言うつもりはなかったの。あなたがつまらない絡みかたをするから……どう? もう、このへんでよしましょうよ」
 カオルの言ったことが、通じたのか通じないのか、曽根は、それにおっかぶせるように、
「おシヅが、水上さんをどうとかしたって、それァ、こちらの知らないことですわ。あたしたちとしては、水上さんから、いくぶんの報償をいただければ、それでおさまると言っているんです」
「この数学は、微積分よりむずかしいわね……かりに、あなたたちの言い分をとおすとして、金もないのに、どうすれば報償ができるのかしら。おしえていただきたいわ」
「アメリカのビニロン会社で、新しい製品の宣伝をするので、水上さんを、ぜひモデルにって言っているんです。長い契約にして、思いきりギャラを出すそうですから、それで、あたしどものほうの報償のいくぶ
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