動かさなかった。
カオルは、おひゃらかすように、女たちに言った。
「あなたたち、曽根さんに扱われているんじゃないかしら。曽根さんは、ウィルソンのアミだってことだけど、このひとが知らないんじゃ、ほかの人間が知っていようわけがないでしょう。おかしな話だわ」
曽根は、なんの苦もないようすで、
「アミというのは、メカケってことですか。あいかわらず、お察しのいいことで……あたしがウィルソンのアミだなんて、誰からお聞きになった?」
と、なよなよと問いかえした。
「あなたのお嫌いな中村から……」
と、カオルがつっぱねた。
「ジャッキーなんていって恍《とぼ》けている、ウィルソンという男は、もとGHQの保健福祉局で、つまらない仕事をやっていたけど、じつは、陸軍省とかの情報少佐で、すごい権力のバックをもっている、軍人官僚のピカ一なんだって……中村が調べあげたんだから、これは、まちがいのないところなんでしょう」
曽根は、おどろいたように目を見はって、
「ひとは見かけによらないものね。あのジイちゃん、そんなえらいひとだとは、思いもしなかったわ」
「中村も、そう言っていたわ……あの家にしてからが、そう
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