差し出るのは、やめたほうがよろしかろう。ひどくゴタゴタしているようだが、これだって、案外、愚にもつかぬことなのかも知れない。なにもわからないくせに、興奮することも、イライラすることもいらない。カオルや大矢シヅを向うにまわして、ぬきさしのならないところで問い詰めてやるのは、相当、精力のいる仕事なのだろう。ギリギリの最後になったら、それだって恐れはしないが、いまのところは、ものの意味が、ひとりでにわかりだしてくるのを、気長に待っているほうがいい。
 サト子が、ぼんやりした顔をしているので、曽根は、おいおい険相な風情になって、
「ねえ、水上さん、だまっていないで、なんとかおっしゃっていただきたいわ」
 というと、膝頭で、サト子の膝をグイとニジリつけた。
 サト子は、そっと膝をよけながら、
「だから、わかるように、話してくださいと申しあげたでしょう? うかがっていますわ」
「ウィルソンが、一枚一ドルで、香港の宝彩のようなものをつくってきて、水上サト子の何億かの財産を安定させるには、先立って、坂田とかいうひとから、鉱業権を買戻すことになるのだが、ひと口、乗っておけば、一枚について、本国ドルで、一
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