うちに、どんな殺伐なことでもやりかねないような動物的な眼つきになって、
「ふン、ずいぶん、見通したようなことを、おっしゃいますね。えらそうな口をきくあんたさんは、どこの、なんというひとです?」
と、嫌味に絡《から》みついてきた。
カオルは、相手の顔を見もせず、サト子に、
「神奈川県庁の嘱託をしているころ、このひとたちがむやみに殖えて、アナーキーになって喧嘩ばかりしているので、白百合という組をつくって、みんながやっていけるように、してやったことがあるの……あたしを知らないようじゃ、このひとたち、ほんの駆けだしなんだわ」
と遠慮のない高調子で、笑いあげた。
「ヤマさん、しばらく」
グレーのジャンパー・スカートに、緋裏《ひうら》のついたアンサンブルのコートを、マントのように羽織った、外人向きの、高級バアのマダムという見かけの二十七八の女が、そう言いながら、すらすらと部屋にはいってきた。
ロングカットの髪を、なよなよと片頬にたらし、レースのハンカチをひとつだけ入れた、中の透けて見える花籠のようなマクラメのバッグを手首にかけ、馴れ馴れしいくらいなようすでカオルのそばへ行って、ベッドの端
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