このあいだのおわびに、ごいっしょに夕食でも……」
坂田は、ありありと迷惑そうなようすになって、
「ありがたいですが、電話でも申しあげたように、メチャメチャにいそがしい仕事をかかえているので……それに」
強い目つきで、部屋のなかを見まわしながら、
「ここはアメリカ人のやっている店だそうですが、こういう環境に、馴染めないほうなもんだから」
「あら、そうなの」
由良は、大袈裟《おおげさ》におどろいてみせた。
「長らくアメリカにいらしたということですが、そんなアメリカぎらいなんですか?……そうと知ったら、おもてなしの方法もありましたのに」
口先のお愛想でつなぎながら、由良は、いきなり本題にはいった。
「有江さんのお手紙には、あなたのことが、くわしく書いてありました……カルフォルニヤの鉱山学校を卒業して、ニュウ・メキシコの鉱山で働いていらしたのだそうですね」
「古い話です」
「去年の春ごろ、日本へ帰って来て、青梅の奥で、清浄野菜の農園をやっていらっしゃるって……それほどの経験を振り捨てて、どうして、そんなことをはじめる気になったのか、私には腑に落ちないので」
「あっさりいえば、鉱山の仕事
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