の通《つう》になっていられるから、そのへんのことは、おわかりでしょうが、問題は、ほかにもあるんです」
「どんなことなのか、言っていただきましょう。ね。聞くだけのことは、聞いておく心要があるから」
「このごろ、姉が、さかんに神月のところへ出かけて行く……西ドイツから新兵器の売込みに来ている、パーマーというやつの秘書兼通訳をしていることは、ごぞんじでしょう」
「知ってるわ」
「姉は、パーマーと神月を結びつけて、ひと仕事しようとしているらしい、そういう形跡があるんです」
「神月は、これと、どういうツナガリがあるのかしら?」
「水上氏が、苗木の鉱山で砂鉄をとっていた磁気工業から、採掘権の委譲をうけるとき、神月から、いくらか金を借りている。坂田が水上氏の借金を返済したという話は聞かないから、鉱業権を移すような場合には、出資者として、神月はものをいえる立場にあるわけです」
「あんなひとが挾まっているとは、あたしも知らなかった」
「有江氏の手紙で、わかったことなんでしょ。しかし、おやじは、神月のほうは問題にしていない。秋川から仕送りをうけて、食っている状態だから、どう動きだそうと、たいしたことはない
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