いてありました」
「オセッカイな手紙だわね」
 芳夫が、白々とした顔でつづけた。
「終戦の四年目に、ご尊父が乞食のような恰好で、アメリカから帰っていらした……」
「目もあてられない様子だったわ」
「じぶんのもののような顔で、居すわっていられるが、飯島の家は、本来、水上氏のものなんでしょう。それなのに、着たっきりになって帰ってきたご尊父を、座敷にもあげずに追いだしてしまった」
「そんなことまで書いてあるんですか?……あなたの注釈だったら、やめておきなさい」
「そう書いてあるんです……水上氏は、行きどころがないので、郷里へ帰った。岐阜県の恵那の苗木の奥に、崩れ残っている先祖の家に住んで、ガイガー計数管を持って、付知川の谷間を歩きまわっているうちに、三万カウントのサマルスキー石にうちあたった」
「あたしが追いださなかったら、恵那へ帰らなかったはずだし、ウラニウムにも、ぶちあたらなかった……感謝していいわけじゃないかしら」
「水上氏は、そう複雑には考えなかった……単純に、あなたを憎いと思って、三百五十万ドルの鉱業権は、死んでも、あなたに渡すまいと決心した」
「むかしから、そういうエコジなひとな
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