、レコーダーのスイッチを切って、もとの椅子におさまった。
「現在、叔母がありながら、肉親のめぐみも受けず、仕事の口にありつこうというので、氷雨の中を走りまわっている……へんな話だというこってすよ」
「サト子は、じぶんのしたいようにしているのよ」
「そうでしょうか?……いま、しょったれた恰好をしていると、おっしゃったけど、あんなふうにしたのは、誰でしょう?……モデルの事務所へ行って、家へ寄りつかないで困るから、サト子に仕事をやらないでくれって、おたのみになったのは、あなたでは、なかったのですか」
「あたしです」
「西荻窪の植木屋の離屋から、サト子さんを追いだしたのも?……すこしくらい間代がたまったって、こんなことをするつもりはなかったんだが、叔母さまのたのみだから、と植木屋のおやじが、弁解していました」
「あれは意地っぱりだから、すこし困らしてやらないと、あなたのところへ嫁《ゆ》く気なんかに、なりはしないでしょ?……東京へ帰ったら、お宅へ伺うという約束で、出張手当までとっておきながら、お伺いもせず……あなたのために、急《せ》かしてやったつもりなんだけど、お気にいらない?」
「そういう恩は
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