ら」
サト子は疑問をおこして、たずねてみた。
「すると、空巣にまちがえられたのは、なぜなの?」
「暁子のほうは、じぶんに会いにきてくれると思いこんでいるので、愛一郎がいるあいだじゅう、そばを離れないから、家捜しをすることができない。それで、あの日、暁子の留守にはいりこんだのだが、女中が代ったばかりで、愛一郎の顔を知らない。空巣だと思って、材木座の派出所へ電話をかけたので、ああいう結末になった」
三原橋の近くまで来ると、エンジンをかけたまま十字路の角でパークし、運転手が、都電の線路ごしに、築地のほうから木挽町《こびきちょう》の通りへはいってくる車を、熱心にながめだした。
中村は、横目でサト子の顔色をうかがいながら、
「ウラニウムの話はべつにして、最近、思いがけないことがあったでしょう?……たとえば、たれかが、訳も云わずに、何万ドルという金を持ちこんできた、なんてことが……」
「そんなこと、なかったわ」
サト子は、急に不安になって、
「含んだようなことばかりいわれると、こわくなっちまう……それは、あたしに関係のあることなんですか」
中村は脇窓のほうを見ながら、
「将来、そんな意外
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