て、朝の食事の支度のできたテーブルの前に、笑いながら立っていた。
「なにしてたア? ご飯もオミヨツケも、さめちゃうじゃないのよウ」
目のクリッとした剽軽《ひょうきん》な顔を、無理にしかめながら、飯島の漁師|訛《なまり》でサト子を叱りつけた。
歩けもしないうちから、鎌倉の澗の海で泳いでいたので、アシカのようなからだつきになった。いちど、裸でいるところを見たが、八頭身どころの段ではなく、下手なニュウ・ファッションの服なんか着せるのはもったいないような、すばらしいヌードをもっている。何年ぶりかで、鎌倉で会ったときは、くずれた花のような感じだったが、ファッション・モデルになってからは、うす濁った影のようなものが消え、皮膚までが生きかえったようになった。
「ダンナサマの席は、きょうから、窓のほうの椅子よ」
そう言うと、ベッドと壁の間の狭いところを、猫のように身軽にすりぬけ、サト子と向きあう主婦の座についた。
サト子は、ダンナサマの椅子に掛けながら、なんのせいで、このひとはいつも生々としていられるのだろうと、シヅの横顔をながめた。
「ゆうべおそく、あんなに酔って帰ってきて、よく元気でいられ
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