ることなんだから、いまさら、隠しもできないわ」
 愛一郎は、草のなかに坐りこむと、膝に手において、がっくりと首をたれた。
「悪いことを言った。ゆるしてくれるね? カオルさん」
「だから、なんでもないって、言ってるでしょう」
「読んだのは、どういうところだったのかしら?」
「なにもかもよ……あなたのママの過失のことも、あたしのママの過失のことも……あたしにとっても、たいへんな発見だったわ。あたし、山岸の子供でなくて、ほんとうは、神月の子供だったのね」
「あれは、ママの想像でしょう。そんな深いことを、ママが知っているはずは、ないんだから」
「そのことなら、あたしが神月に会って、はっきりさせるわ。あなたが、とやかく言うことはないのよ。それより、ママの古い恋文、飯島の神月の別荘の、暖炉棚の虚《うろ》に放りこんであるって、書いてあったわね。あなたが心配しているのは、そのことなんでしょう。他人のこと気に病《や》むより、そのほうの始末をするほうがいいわ。なんだったら、いっしょに行って捜してあげましょうか。久慈なら、いくらか知ってるから」
 愛一郎が首を振った。
「捜してみたけど、そこには、なかった…
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