いう経がある。奈良朝時代に因果経の上部に絵が描いて色彩も麗わしく時価も非常に高いものがある。一枚が万金以上に価する。名宝展に久邇宮家の所蔵品が出されておりました。藤田男爵にも一枚、美術学校にも一葉あります。因果経という本は奈良朝にそれくらい行われておったにも係らずそれが一切経の中に入れてない。シナでは十五回も勅修があり、また十四回も印刷したのにこれが入れてないから、或いは日本で作ったものだというようなことを言っておったが、それが中央アジアで発掘されて全部が出土した。それが漢訳が全部出たのみならず胡語ソクデヤ(※[#「穴かんむり/卒」、第4水準2−83−16]利)の言語で翻訳した物が出た。ソクデヤというのはギリシャ人とペルシャ人と一緒になったような人種であります。西域に住んでおりましたが、その言葉に訳翻されている因果経である。日本の偽作と言われたが同一の物が漢語胡語に訳せられて、それが発掘されたというのは大変面白いことだと思います。
七
それから三階教という仏教の一派がシナにあった。これは仏教の異端であります。仏教を三階に分けて仏教の第一期は唯一乗教の時代、第二期
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