。そういうふうにいろいろとインドと直接の関係があるのであります。こういうふうに考えていくと仏教、風俗、儀式、美術、薬物、遊戯に至るまで辿って行けば面白い研究でありますが今日はそれくらいにしておきまして、インド文明の大波が北と南とを通って東方に移って来たことを今少し話したい。普通はシナに一応伝わりもしくは朝鮮に伝わったのを日本が受けたのでありますが、そうでなく前に述べたように直接にインド人が日本にきて伝えたものも相当ある。そしてこれは実地に移したのでありますから日本にとって非常に深い関係を持つのであるということを知っておかなければならぬのであります。而して然らば今日の主題たる一切経がどういうぐあいに日本にきたかということを述べ、そしてどうして出版する運びになったかということを少しお話いたしたいと思うのであります。

         五

 仏が涅槃に入られる時に、「我入滅すとも我所説の法は滅不滅である、我所説の法以て汝が師と為せよ」といわれた。自分の肉身、即ち親身は滅しても法身は常住である、肉としての自身は亡びても法としての自身を大切にせよと言われたのである。それを字義通りに大切にする
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