、猶ほ親族と會ふが如し。
是れに由つて
二〇八 彼の賢く、智ある、多く學べる、忍辱なる、戒を具せる、聖き、是の如き善士聰慧者に隨ふべし、月の星宿を行くが如く。
[#改ページ]

    第十六 愛好の部

二〇九 不相應に相應し、相應に相應せず、實義を捨てて可愛を執取する人は自ら相應する人を妬む。

[#ここから2字下げ]
相應―原語は瑜伽にして、又は觀行起行の義あり、若し心と境との相應と解すれば觀行の義となり、若し力と境との相應と解すれば起行の義となる。
[#ここで字下げ終わり]

二一〇 所愛と會ふ勿れ、決して非愛と(會ふ勿れ)、所愛を見ざるは苦なり、又非愛を見るも(苦なり)。
二一一 故に愛を造る勿れ、所愛を失ふは災なり、愛非愛なき人には諸の繋累あることなし。
二一二 愛より憂を生じ、愛より畏を生ず、愛を離れたる人に憂なし、何の處にか畏あらん。
二一三 親愛より憂を生じ、親愛より畏を生ず、親愛を離れたる人に憂なし、何の處にか畏あらん。
二一四 愛|樂《げう》より憂を生じ、愛樂より畏を生ず、愛樂を離れたる人に憂なし、何の處にか畏あらん。
二一五 愛欲より憂を生じ、愛欲より畏を生ず、
前へ 次へ
全62ページ中31ページ目


小説の先頭へ
文字数選び直し
荻原 雲来 の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ 登録 ご利用方法 ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング