一七一 來れ、雜色の王車に等しき此の世間を見よ、愚者は此中に沈溺す、智者に執著あることなし。
一七二 人若し先に放逸なるも後に不放逸なれば能く此の世間を照す、雲を出たる月の如く。
一七三 人若し先に惡業を作るも(後に)善を以て此を滅せば能く此の世間を照す、雲を出たる月の如く。
一七四 此の世は黒暗なり、此の中にて能く見るもの稀なり、網を脱れて天に到る鳥の稀なるが如く。
一七五 鵝鳥は日の道を行く、(人は)通力によりて虚空を行く、賢人は魔と其軍衆とを亡ぼし世間を離る。
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鵝鳥―候鳥の一種と謂はる。
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一七六 一法を犯し、(且つ)妄語し、他世を信ぜざる人は惡として造らざるなし。
一七七 貪る人は天に往かず、愚者は決して施與を贊せず、賢人は施與を隨喜し、此に由つて他生に樂を受く。
一七八 地上を統治するよりも、また天に往くよりも、一切世界の王位よりも預流の果を勝れたりとす。
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預流の果―佛教に確信を得ること。
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第十四 佛陀の部
一七九 已に自ら勝つて(他に)勝たれ
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