北斗帖
違星北斗
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【テキスト中に現れる記号について】
《》:ルビ
(例)白老《しらおい》のアイヌ
[#]:入力者注 主に外字の説明や、傍点の位置の指定
(数字は、JIS X 0213の面区点番号、または底本のページと行数)
(例)※[#感嘆符二つ、1−8−75]
/\:二倍の踊り字(「く」を縦に長くしたような形の繰り返し記号)
(例)ほろ/\
*濁点付きの二倍の踊り字は「/″\」
−−−−
私の短歌
私の歌はいつも論説の二三句を並べた様にゴツゴツしたもの許りである。叙景的なものは至って少ない。一体どうした訳だろう。
公平無私とかありのまゝにとかを常に主張する自分だのに、歌に現われた所は全くアイヌの宣伝と弁明とに他ならない。それには幾多の情実もあるが、結局現代社会の欠陥が然らしめるのだ。そして住み心地よい北海道、争闘のない世界たらしめたい念願が迸り出るからである。殊更に作る心算で個性を無視した虚偽なものは歌いたくないのだ。
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はしたないアイヌだけれど日の本に
生れ合せた幸福を知る
滅び行くアイヌの為に起つアイヌ
違星北斗の瞳輝く
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