ロ、ラロ、ラ、
ラロララ、ラロラ、
ラロ、ラロラ、
ラロ、ラロ、ラロラ、
ラロ、ラロ、ラ。
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正坊は、白い鳥のはねのついたぼうしをかぶり、金ピカのおもちゃのけんをこしにつるして、将軍になりすまして、クロのせなかにのっかりました。クロはラッパの音に歩調をあわせて、元気よく舞台へ出ていきました。
「あらわれましたのは、ソコヌケ将軍に、愛馬クロにござーい」
留じいさんが口上《こうじょう》をのべますと、正坊はクロのせなかから、コロリところげ落ちてみせました。見物人はどっとわらって、手をたたきました。
「将軍はただいまから、盗賊《とうぞく》たいじに出発のところでござーい」
クロが、ああんと赤い口をあけました。将軍の正坊は、クロのせなかにまたがったまま、ポケットからビスケットをつかみ出して、口の中へいれてやりました。クロは正坊の手首までくわえてしまいました。正坊は目をパチクリさせて、またクロのせなかから、落っこちてみせて、見物人をよろこばせました。
やがて賊にふんした団長が、銀紙《ぎんがみ》をはったキラキラした大太刀《おおだち》をひっつかんで出てきました。正坊のソコ
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