狐のつかい
新美南吉
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【テキスト中に現れる記号について】
《》:ルビ
(例)猿《さる》
|:ルビの付いていない漢字とルビの付く漢字の境の記号
(例)一|合《ごう》かいました。
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山のなかに、猿《さる》や鹿《しか》や狼《おおかみ》や狐《きつね》などがいっしょにすんでおりました。
みんなはひとつのあんどんをもっていました。紙ではった四角な小さいあんどんでありました。
夜がくると、みんなはこのあんどんに灯《ひ》をともしたのでありました。
あるひの夕方、みんなはあんどんの油《あぶら》がもうなくなっていることに気がつきました。
そこでだれかが、村の油屋《あぶらや》まで油を買いにゆかねばなりません。さてだれがいったものでしょう。
みんなは村にゆくことがすきではありませんでした。村にはみんなのきらいな猟師《りょうし》と犬がいたからであります。
「それではわたしがいきましょう」
とそのときいったものがありました。狐《きつね》です。狐《きつね》は人間の子どもにばけることができたからでありました。
そこで、狐《きつね》のつかいときまりました。やれやれとんだことになりました。
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