》がいいました。
かしらは苦笑《にがわら》いしながら、弟子《でし》たちにわけをこまかく話《はな》してきかせました。わけをきいて見《み》れば、みんなにはかしらの心持《こころも》ちがよくわかりました。
そこで弟子《でし》たちは、こんどは子供《こども》をさがしにいくことになりました。
「草鞋《わらじ》をはいた、かわいらしい、七つぐれえの男坊主《おとこぼうず》なんですね。」
とねんをおして、四|人《にん》の弟子《でし》は散《ち》っていきました。かしらも、もうじっとしておれなくて、仔牛《こうし》をひきながら、さがしにいきました。
月《つき》のあかりに、野茨《のいばら》とうつぎの白《しろ》い花《はな》がほのかに見《み》えている村《むら》の夜《よる》を、五|人《にん》の大人《おとな》の盗人《ぬすびと》が、一|匹《ぴき》の仔牛《こうし》をひきながら、子供《こども》をさがして歩《ある》いていくのでありました。
かくれんぼのつづきで、まだあの子供《こども》がどこかにかくれているかも知《し》れないというので、盗人《ぬすびと》たちは、みみずの鳴《な》いている辻堂《つじどう》の縁《えん》の下《した》や柿
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