一年生たちとひよめ
新美南吉

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【テキスト中に現れる記号について】

《》:ルビ
(例)池《いけ》がありました

[#]:入力者注 主に外字の説明や、傍点の位置の指定
(例)ひよめ[#「ひよめ」に傍点]
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 学校へいくとちゅうに、大きな池《いけ》がありました。
 一年生たちが、朝そこを通りかかりました。
 池の中にはひよめ[#「ひよめ」に傍点]が五六っぱ、黒くうかんでおりました。
 それをみると一年生たちは、いつものように声をそろえて、

 ひイよめ、
 ひよめ、
 だんごやアるに
 くウぐウれッ、

とうたいました。
 するとひよめは頭からぷくりと水のなかにもぐりました。だんごがもらえるのをよろこんでいるようにみえました。
 けれど一年生たちは、ひよめ[#「ひよめ」に傍点]にだんごをやりませんでした。学校へゆくのにだんごなどもっている子はありません。
 一年生たちは、それから学校にきました。
 学校では先生が教えました。
「みなさん、うそをついてはなりません。うそをつくのはたいへんわるいことです。むかしの人は、うそをつくと死んでから赤鬼《あかおに》に、舌《した》べろを釘《
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