一年生たちとひよめ
新美南吉
−−
【テキスト中に現れる記号について】
《》:ルビ
(例)池《いけ》がありました
[#]:入力者注 主に外字の説明や、傍点の位置の指定
(例)ひよめ[#「ひよめ」に傍点]
−−
学校へいくとちゅうに、大きな池《いけ》がありました。
一年生たちが、朝そこを通りかかりました。
池の中にはひよめ[#「ひよめ」に傍点]が五六っぱ、黒くうかんでおりました。
それをみると一年生たちは、いつものように声をそろえて、
ひイよめ、
ひよめ、
だんごやアるに
くウぐウれッ、
とうたいました。
するとひよめは頭からぷくりと水のなかにもぐりました。だんごがもらえるのをよろこんでいるようにみえました。
けれど一年生たちは、ひよめ[#「ひよめ」に傍点]にだんごをやりませんでした。学校へゆくのにだんごなどもっている子はありません。
一年生たちは、それから学校にきました。
学校では先生が教えました。
「みなさん、うそをついてはなりません。うそをつくのはたいへんわるいことです。むかしの人は、うそをつくと死んでから赤鬼《あかおに》に、舌《した》べろを釘《
次へ
全3ページ中1ページ目
小説の先頭へ
文字数選び直し
新美 南吉 の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ
登録
ご利用方法
ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング