くぎ》ぬきでひっこぬかれるといったものです。うそをついてはなりません。さあ、わかった人は手をあげて。」
 みんなが手をあげました。みんなよくわかったからであります。
 さて学校がおわると、一年生たちはまた池のふちを通りかかったのでありました。
 ひよめ[#「ひよめ」に傍点]はやはりおりました。一年生たちのかえりを待っていたかのように、水の上からこちらをみていました。

 ひイよめ、
 ひよめ、

と一年生たちは、いつものくせでうたいはじめました。
 しかし、そのあとをつづけてうたうものはありませんでした。「だんごやるに、くぐれ」とうたったら、それはうそをいったことになります。うそをいってはならない、と今日《きょう》学校でおそわったばかりではありませんか。
 さて、どうしたものでしょう。
 このままいってしまうのもざんねんです。そしたらひよめ[#「ひよめ」に傍点]のほうでも、さみしいと思うにちがいありません。
 そこでみんなは、こう歌いました。

 ひイよめ、
 ひよめ、
 だんご、やらないけれど、
 くウぐウれッ

 するとひよめ[#「ひよめ」に傍点]は、やはりいせいよく、くるりと水を
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