つみ》が遊びにきたのは、きょ年の夏休みのことでした。克巳は、松吉と同い年の、小学校五年生でした。
克巳は五年生でも、からだは小さく、四年生の杉作とならんでも、まだ五センチぐらい低かったが、こせこせとよく動きまわる子で、松吉、杉作の家へくるとじき、はつかねずみというあだ名をつけられてしまいました。
松吉、杉作の家のうらてには、ふたかかえもあるニッケイの大木がありました。その木の皮を石でたたきつぶすと、いいにおいがしたので、おとなたちが、昼ねをしている昼さがりなど、三人で、まるできつつきのように、木のみきをコツコツとたたいていたりしました。
また、あるときは、おじいさんの耳の中に、毛がはえていることを克巳が見つけて、
「わはァ、おじいさんの耳、毛がはえている。」
とはやしたてたことがありました。松吉、杉作は、もうずっとまえから、そんなことは知っていました。が、あまり、克巳がおもしらそうにはやしたてるので、いっしょになってこれも、
「わはい、おじいさんの耳、毛がはえている。」
と、はやしたてたものでした。すると、おじいさんが、松吉、杉作をにらみつけて、
「なんだ、きさまたちゃ。おじ
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