》だ。しかし、問題は、私の精神にも肉体にも、繭を喰破るだけの力が残っているか、どうかである。
十七
一八九四年九月×日
昨日料理番のクロロが「義父《ちち》が他の酋長《しゅうちょう》達と一緒に、明日、何か御相談に上るそうです。」と言った。彼の義父、老ポエは、マターファ側の政治犯、我々を獄中のカヴァの宴に招いて呉れた酋長等の一人だ。彼等は先月の末、漸く釈放されたのである。ポエの入獄中は、私も相当面倒を見させられた。医者を獄中に向けてやったり、病気のためとて仮出獄の手続をしてやったり、再入獄の後は又保釈金を払ってやったりしたのである。
今朝、ポエが他の八人の酋長と共にやって来た。彼等は喫煙室に入り、サモア流に車座になって蹲《しゃが》んだ。彼等の代表者が話し始めた。
「我々の在獄中ツシタラは一方ならぬ同情を我々に寄せられた。今や自分達も、やっと無条件で釈放された訳だが、何とかしてツシタラの厚情への謝意を表したいと、出獄後直ぐに皆で相談した。所で、我々より先に出獄した他の酋長等の中には、その釈放される時の条件として今尚、政府の道路工事に使われている者が随分いる。それを見て、我々もツ
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