「る。ところでこの費用とは何か。これを得るに必要な努力であるという。コンジャックによれば、呼吸の行動、物を見るために眼を開く行動、川で水を汲むために屈身する行動等は、これらの財に対して支払う犠牲である。この幼稚な議論は、我々の想像以上にはなはだしばしば主張せられている。けれども、もしこれらの行動を経済的犠牲と呼ぶとしたら、本来の意味の価値という語に対しては他の言葉を見出さねばならぬことは明らかである。私が肉を肉屋に求めるとき、衣服を洋服屋に求めるとき、私はこれらの目的物を得る努力と犠牲とを提供する。しかしこのほかに、私は、これとは全く異る犠牲を払っている。すなわち貨幣の一定量を私のポケットから引出して、商人の利益となるようにしている。
 セイは別な形で答えている。空気、太陽の光線、河川の水は利用がある、だからそれらは価値をもっているのである。それらは無限の価値をもつほど利用があり、必要であり、欠くべからざるものである。我々が何ものをも与えないで、それらの物を得られるのは、まさにこの理由に基く。私共がこれらの物に対して何物をも支払わないのは、これらの物に対しその価格を支払うことが出来ない
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