は上付き小文字][#「IV」は底本では「VI」]a[#「a」は下付き小文字] となるために、(B)、(C)、(D)……の需要の減少によって減少し、(A)の需要の増加によって大となる。それらいずれの場合にも、これらの傾向は反対の方向をとっているから、これらの影響によって、pa[#「a」は下付き小文字] は、pt[#「t」は下付き小文字], pp[#「p」は下付き小文字], pk[#「k」は下付き小文字] ……の減少または増大の影響によって1に近づくよりも、より多く1に接近する。そして同じ方法を継続すれば、ますます1に近づく。ついにこれに達し、pIV[#「IV」は上付き小文字][#「IV」は底本では「VI」]a[#「a」は下付き小文字]=1 となったと仮定すれば、D'''a[#「a」は下付き小文字]=DIV[#「IV」は上付き小文字][#「IV」は底本では「VI」]a[#「a」は下付き小文字] が得られ、問題は完全に解かれる。
 ところで、今まで私が記述してきた摸索は自由競争の制度の下に自然に行われるのである。実際
[#ここから4字下げ]
D''a[#「a」は下付き小文字]=D'a[#「a」は下付き小文字]p''a[#「a」は下付き小文字]
[#ここで字下げ終わり]
であるときには、(A)の生産者の負債は D'a[#「a」は下付き小文字]p''a[#「a」は下付き小文字] である。このとき彼らは、(A)の需要量 D''a[#「a」は下付き小文字] を価格1で提供すれば、利益として D'a[#「a」は下付き小文字]−D''a[#「a」は下付き小文字]=D'a[#「a」は下付き小文字](1−p''a[#「a」は下付き小文字]) を得る。この差は、もし p''a[#「a」は下付き小文字]<1 であって D'a[#「a」は下付き小文字]>D''a[#「a」は下付き小文字] であるならば、本来の意味の利益(〔be'ne'fice〕)である。しかしこの場合には、彼らは生産を拡張し、p''t[#「t」は下付き小文字], p''p[#「p」は下付き小文字], p''k[#「k」は下付き小文字] ……を増大せしめ、従って p''a[#「a」は下付き小文字] を増大せしめ、p''a[#「a」は下付き小文字] は1に近づく。右の差は、もし p''a[#「a」は下付き小文字]>1 であって、D'a[#「a」は下付き小文字]<D''a[#「a」は下付き小文字] であるならば、損失である。生産者はこの損失を負担せねばならぬ。このときには、彼らは生産を制限し、p''t[#「t」は下付き小文字], p''p[#「p」は下付き小文字], p''k[#「k」は下付き小文字] ……を減少せしめ、従って p''a[#「a」は下付き小文字] を減ぜしめ、この p''a[#「a」は下付き小文字] は1に近づく。ここで注意すべきことは、(A)の企業者は、価値尺度財である商品の生産費が販売価格すなわち1より大であって、確かに彼らに損失を生ぜしめるような場合には、これを生産せず、ただ生産費が1より小なるかまたはこれに等しい場合にのみこれを生産し、損失を伴う地位を避け得る自由をもっていることである。いずれにせよ、結局(A)の企業者は、(B)、(C)、(D)……の企業者のように、販売価格が生産費より大なる場合にはその生産を拡張し、生産費が販売価格より大なる場合にはこれを制限するよりほかはない。前の場合には、彼らは、用役の市場において、用役の価格を騰貴せしめ、後の場合には、これを下落せしめる。これら二つのいずれの場合にも、彼らは均衡を生ぜしめるに至るのである。
 二二〇 この証明の全ての部分を結合して、市場価格成立の法則すなわち生産の均衡価格成立の法則を次のように定立することが出来る。
 ――諸生産物の製造に用いられかつ価値尺度財の仲介によりこれらの諸生産物と交換せられる諸生産用役が与えられて[#「諸生産物の製造に用いられかつ価値尺度財の仲介によりこれらの諸生産物と交換せられる諸生産用役が与えられて」に傍点]、市場の均衡が現われるには[#「市場の均衡が現われるには」に傍点]、換言すれば価値尺度財で表わされたこれらすべての用役の価格とすべての生産物の価格が静止状態にあるには[#「換言すれば価値尺度財で表わされたこれらすべての用役の価格とすべての生産物の価格が静止状態にあるには」に傍点]、(一)これらの価格において[#「これらの価格において」に傍点]、各用役及び各生産物の有効需要が有効供給に等しく[#「各用役及び各生産物の有効需要が有効供給に等しく」に傍点]、(二)生産物の販売価格が用役から成るその生産費に等しくなければならぬし[#「生産物の販売価格が用役から成るその生産費に等しくなければならぬし」に傍点]、またこれだけの条件が充されれば
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