価格が決定せられたとき、私共が求める部分均衡を得るには、既にいったように、(B)、(C)、(D)……の企業者が利益も得なければ、損失も受けないように、D'b[#「b」は下付き小文字], D'c[#「c」は下付き小文字], D'd[#「d」は下付き小文字] ……を決定すれば足るであろう。(A)の需要量 D'a[#「a」は下付き小文字] はもちろん偶然に製造せられた量 Ωa[#「a」は下付き小文字] である。ところで生産者は生産物の D'a[#「a」は下付き小文字]+D'b[#「b」は下付き小文字]p'b[#「b」は下付き小文字]+D'c[#「c」は下付き小文字]p'c[#「c」は下付き小文字]+D'd[#「d」は下付き小文字]p'd[#「d」は下付き小文字] ……だけを取引証書で売り、用役の D't[#「t」は下付き小文字]p't[#「t」は下付き小文字]+D'p[#「p」は下付き小文字]p'p[#「p」は下付き小文字]+D'k[#「k」は下付き小文字]p'k[#「k」は下付き小文字]+ ……だけを購い、消費者は用役の O't[#「t」は下付き小文字]p't[#「t」は下付き小文字]+O'p[#「p」は下付き小文字]p'p[#「p」は下付き小文字]+O'k[#「k」は下付き小文字]p'k[#「k」は下付き小文字]+ ……だけを取引証書で売り、生産物の D'a[#「a」は下付き小文字]+D'b[#「b」は下付き小文字]p'b[#「b」は下付き小文字]+D'c[#「c」は下付き小文字]p'c[#「c」は下付き小文字]+D'd[#「d」は下付き小文字]p'd[#「d」は下付き小文字]+ ……だけを購い、生産用役の用いられた量とその供給量との均等を示す生産方程式の[3]組を除き、生産方程式のすべてが満足される。
 二一四 だがこれらの他の方程式を満足せしめたと同じく、除かれたこの方程式の体系をも満足せしめねばならない。購われた生産用役の量と販売せられた生産用役の量とは単に等価値であることを要するのみでなく、等量でなければならぬ。なぜならこの量がまた生産物の製造に入り込む所の量であるから。かようにして、今や、用役の供給と需要の均等を生ぜしめて、生産の問題を完了すべきときとなった。
 この均等は、もし D't[#「t」は下付き小文字]=O't[#「t」は下付き小文字], D'p[#「p」は下付き小文字]=O'p[#「p」は下付き小文字], D'k[#「k」は下付き小文字]=O'k[#「k」は下付き小文字] ……ならば、成立し得るであろう。そのときには、市場の仲買人は、生産者に対して用役の取引証書を引渡し、生産物の取引証書を受け、消費者に対しては生産物の取引証書を引渡し、用役の取引証書を受け、かくて用役と生産物との交換、用役と用役との交換が有効に行われる。けれども一般に、[#式(fig45210_127.png)入る]である。だから、合理的に修正せられた用役の価格を基礎として、摸索を繰り返さねばならぬ。この場合に p't[#「t」は下付き小文字], p'p[#「p」は下付き小文字], p'k[#「k」は下付き小文字] ……は本質上正であるから、p'a[#「a」は下付き小文字]=1, Ωa[#「a」は下付き小文字]=D'a[#「a」は下付き小文字] が成立つときには、もし、量 O't[#「t」は下付き小文字]−D't[#「t」は下付き小文字], O'p[#「p」は下付き小文字]−D'p[#「p」は下付き小文字], O'k[#「k」は下付き小文字]−D'k[#「k」は下付き小文字] ……のうち、あるものが正であるとすれば、他は負であり、またその逆も成り立つことを注意すべきである。
 二一五 函数Uで正の ot[#「t」は下付き小文字] の合計すなわち用役(T)の有効に供給せられた量を表わし、函数uで負の ot[#「t」は下付き小文字] の合計すなわち(A)、(B)、(C)、(D)……の生産のために企業者が有効に需要する用役の量ではなく、消費者が商品として有効に需要する用役の量、他の言葉でいえば、生産用役としてではなく消費用役として有効に需要せられるこの用役の合計を表わせば、函数 O't[#「t」は下付き小文字] は U−u の形とすることが出来よう。よって、不等式[#式(fig45210_128.png)入る]は、
[#ここから4字下げ]
[#式(fig45210_129.png)入る]
[#ここで字下げ終わり]
の形とすることが出来る。
 D'a[#「a」は下付き小文字] は変化しないと仮定する。すなわち pt[#「t」は下付き小文字], pp[#「p」は下付き小文字], pk[#「k」は下付き小文字] ……のいかなる変化にもかかわらず、従って生産費 pa[#「a」は下付き小文字] の変化が
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