沂汲キるとすれば、彼はこれと交換に、(A)の da[#「a」は下付き小文字]=ob[#「b」は下付き小文字]pb[#「b」は下付き小文字] 量を受けるであろう。そして(A)で表わした(C)、(D)……の価格を知っているから、彼はこの(A)の量を、(A)と(C)と(D)……との間にいかに配分すべきかを、よく理由を知って、決定することが出来る。他の言葉でいえば、決定した価格 π, ρ ……を使っている故に、彼が知らねばならぬのは、決定すべき価格 pb[#「b」は下付き小文字] だけである。だが彼はこの価格について可能なあらゆる仮定を作ることが出来、かつこれらの仮定の各々に対して、せり上げの傾向をあるいは pb[#「b」は下付き小文字] の函数としての(B)の供給曲線により、あるいは[#式(fig45210_020.png)入る]の函数としての(A)需要曲線 ad[#「d」は下付き小文字]ap[#「p」は下付き小文字](第七図)によって表わすことが出来る。
[#図(fig45210_121.png)入る]
 実際においても事は全くこのように行われる。市場に新しい商品が現われると、この商品の所有者らはその量のどれだけを犠牲にし、他の商品の量のどれだけを得べきかを決定し、自分の商品の供給をその価格を基礎として調整する。
 他方、多数の者のうち、(A)、(C)、(D)……のすべてを所有する者を採って考えてみる。もし、この所有者が(A)で表わした(B)の価格 pb[#「b」は下付き小文字] で、(B)の db[#「b」は下付き小文字] 量を需要すれば、この人はこれと交換に oa[#「a」は下付き小文字]=db[#「b」は下付き小文字]pb[#「b」は下付き小文字] に等価値な(A)、(C)、(D)…の量を与えねばならぬ。そして(A)で表わした(C)、(D)の価格をよく知っているのであるから、この人は、よく理由を知って、この(A)の量を(A)、(C)、(D)をもっていかに構成すべきかを決定し得るであろう。他の言葉でいえば、決定した価格 π, ρ ……を知っているのであるから、彼が知らないのは、決定すべき pb[#「b」は下付き小文字] だけである。しかし彼は、この価格については可能なすべての仮定をなすことが出来、これらの仮定の各々に対し、せり上げの傾向を pb[#「b」は下付き小文字] の函数としての(B)の需要曲線 bd[#「d」は下付き小文字]bp[#「p」は下付き小文字] によって表わすことが出来る。
 ここでもまた、実際においても事は全くこのように行われる。市場に新しい商品が現われると、他の商品の所有者らは、この新しい商品のどれだけの量を得、他の商品のどれだけの量を犠牲にすべきかを決定しながら、この商品の需要をその価格を基礎として調整する。
 私は、交換者が(B)の所有者であると同時に(A)、(C)、(D)……の所有者である場合についていわなかった。しかしこの場合もまた二商品相互の間の交換の理論によってあらかじめ知られている。かかる交換者は二つの曲線、すなわちある価格に対する(A)の需要曲線または(B)の供給曲線と、それらの価格の逆数の価格に対する(B)の需要曲線または(A)の供給曲線を作らねばならぬ(第九四節)。そしてこれらの二曲線が先の曲線に加えられる。
[#図(fig45210_122.png)入る]
 部分的需要曲線が加えられて、総需要の曲線 Ad[#「d」は下付き小文字]Ap[#「p」は下付き小文字], Bd[#「d」は下付き小文字]Bp[#「p」は下付き小文字](第八図)となる。(A)の需要曲線 Ad[#「d」は下付き小文字]Ap[#「p」は下付き小文字] からは、(B)の供給曲線 NP が導き出される。この供給曲線はまたこの同じ商品の部分的供給曲線の合計により、直接にも得られる。価値尺度財でなされる(B)の需要の曲線である所の逓減曲線 Bd[#「d」は下付き小文字]Bp[#「p」は下付き小文字] は購買曲線[#「購買曲線」に傍点](courbe d'achat)と呼ばれ、価値尺度財と交換になされる(B)の供給の曲線である NP は初めゼロから逓増し、次に逓減してゼロに(無限遠点において)終り、販売曲線[#「販売曲線」に傍点](courbe de vente)と呼ぶことが出来る。これら二曲線の交点(B)は、価格 pb[#「b」は下付き小文字]=μ を決定する。
 一五二 だがこの最初の決定は決定的であろうか。ここに二商品相互の間の交換に存在しない問題が現われてくる。市場に(B)が現われる以前に存在した一般均衡においては、価格 π, ρ と、この価格において交換せられるべき量 P', Q', R', S', K', L' ……との間
前へ 次へ
全143ページ中99ページ目


小説の先頭へ
文字数選び直し
ワルラス マリー・エスプリ・レオン の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ 登録 ご利用方法 ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング