様にして
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Y'=y'1[#「1」は下付き小文字]+y'2[#「2」は下付き小文字]+y'3[#「3」は下付き小文字]+ …… =0
Z'=z'1[#「1」は下付き小文字]+z'2[#「2」は下付き小文字]+z'3[#「3」は下付き小文字]+ …… =0
W'=w'1[#「1」は下付き小文字]+w'2[#「2」は下付き小文字]+w'3[#「3」は下付き小文字]+ …… =0
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であり、従って、各商品の全部有効需要と全部有効供給とは相等しい。
一四三 故に価格 pb[#「b」は下付き小文字], pc[#「c」は下付き小文字], pd[#「d」は下付き小文字] ……は、配分の変化の前と同じく、変化の後においても、また均衡価格である。そして市場における競争の機構は、要するに、計算を行って価格を実際的に決定することに他ならないのであるから、次の結果が生ずる。――多数の商品が均衡状態において市場に与えられたとし[#「多数の商品が均衡状態において市場に与えられたとし」に傍点]、もし[#「もし」に傍点]、これらそれぞれの量の商品をいかように配分しても[#「これらそれぞれの量の商品をいかように配分しても」に傍点]、これらの交換者の各々によって所有せられる量の合計の価値が常に相等しければ[#「これらの交換者の各々によって所有せられる量の合計の価値が常に相等しければ」に傍点]、これらの商品の市場価格は変化しない[#「これらの商品の市場価格は変化しない」に傍点]。
一四四 この証明の全過程中、私は Qa[#「a」は下付き小文字], Qb[#「b」は下付き小文字], Qc[#「c」は下付き小文字], Qd[#「d」は下付き小文字] ……が変化しないと仮定した。従って所有者例えば(1)によって所有せられる商品(A)、(B)、(C)、(D)……の量が、等価値条件の範囲内において、増加しまたは減少したとすれば、商品の全合計量が一定であるとの条件を充すには、他の所有者の一人または多数例えば(2)または(3)によって所有せられるこれらの商品の量は、同じ条件の範囲内において、減少しまたは増加せねばならないのは、明らかである。けれども、もし商品が市場に著しく多量に存在し、かつ交換者が多数であれば、あるただ一人の所有者によって所有せられる商品の量の変化は、等価値の条件の範囲のうちに現われる変化である限り、他の所有者の何人の所有量にもそれに相応した変化が無いならば、価格に対し目立つほどの影響をもたないものであり、この所有者の特殊な地位もまた市場の一般的地位も何ものも変化しないと考え得られることは、明らかである。これは、ある場合によく利用せられる大数法則の一応用である。しかしながらここでは、私は数学的厳密性の領域のうちに止っていたいと思う。だから価格が絶対に変化しないと立言し得るためには、所有量の価値が等しいとの条件と存在の合計量が一定であるとの条件の二つが充されていると、仮定せねばならない。
一四五 市場の一般均衡の定理は、次の言葉で表現し得られる。
――市場の均衡状態においては[#「市場の均衡状態においては」に傍点]、二商品ずつ行われるm個の商品の交換を支配する m(m−1) 個の価格は[#「二商品ずつ行われるm個の商品の交換を支配する m(m−1) 個の価格は」に傍点]、これらm商品の中の任意の m−1 個の商品と第m番目の商品との交換を支配する m−1 個の価格によって間接的に決定せられている[#「これらm商品の中の任意の m−1 個の商品と第m番目の商品との交換を支配する m−1 個の価格によって間接的に決定せられている」に傍点]。
よって一般的均衡状態においては、すべての商品の価値を、これらの商品の中の一商品の価値に関係せしめて、市場の地位を完全に確定することが出来る。この一商品は価値尺度財[#「価値尺度財」に傍点]と呼ばれ、その量の単位は測定単位[#「測定単位」に傍点](〔e'talon〕)と呼ばれる。今(A)、(B)、(C)、(D)……の価値を(A)の価値に関係せしめたと仮定すれば、次の一系列の価格が得られる。
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pa,a[#「a,a」は下付き小文字]=1, pb,a[#「b,a」は下付き小文字]=μ, pc,a[#「c,a」は下付き小文字]=π, pd,a[#「d,a」は下付き小文字]=ρ ……
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もしこれらの商品の価値を(A)に関係せしめないで、(B)の価値に関係せしめたとすれば、次の一系列の価格が得られる。
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[#式(fig45210_118.png)入る]
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よって――ある価値尺度財で表わした価格を[#「ある
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