終わり]
から導き出せば、この pb[#「b」は下付き小文字] の値は、必ず、第二方程式を満足する。けだし、明らかに
[#ここから4字下げ]
Xva[#「a」は下付き小文字]+Yvb[#「b」は下付き小文字]=0
[#ここで字下げ終わり]
であるから。そこで、もし pa[#「a」は下付き小文字] がある値をとったとき、Fa[#「a」は下付き小文字](pa[#「a」は下付き小文字])=0 となれば、この価格に対応する pb[#「b」は下付き小文字] の値において、Fb[#「b」は下付き小文字](pb[#「b」は下付き小文字])=0 となる。
 この解法は解析的解法である。私共は、これに幾何学的形式を与えることが出来る。正のxの合計は(A)の需要曲線を与え、正のyの合計は(B)の需要曲線を与える。これらの二つの需要曲線から、二商品の供給の二曲線が得られる。これらは、負のx及びyを正にとり、それぞれを合計したものに他ならない。市場価格は、これらの曲線の交点によって決定せられる。
 九八 以上が数学的解法である。市場における解法は次の如くになされる。
 ある二つの互に逆数の価格 pa[#「a」は下付き小文字], pb[#「b」は下付き小文字] が叫ばれると、計算こそしないがしかし最大満足の条件に一致するように x1[#「1」は下付き小文字], x2[#「2」は下付き小文字], x3[#「3」は下付き小文字] …… y1[#「1」は下付き小文字], y2[#「2」は下付き小文字], y3[#「3」は下付き小文字] ……が決定せられる。それによってまた、XとYも決定せられる。もし X=0 ならば、Y=0 となり、価格は均衡価格となる。しかし一般には[#式(fig45210_060.png)入る]であり、従って[#式(fig45210_061.png)入る]である。正のxの合計を Da[#「a」は下付き小文字] と呼び、負のxの合計を符号を変えて Oa[#「a」は下付き小文字] と呼べば、右の第一の不等式は[#式(fig45210_062.png)入る]となる。そして Da[#「a」は下付き小文字] と Oa[#「a」は下付き小文字] とを等しからしめることが問題である。
 Da[#「a」は下付き小文字] についていえば、この量は、pa[#「a」は下付き小文字]=0 であるとき、正であり、pa[#「a」は下付き小文字] が増加すれば、無限に減少していく。そしてそれは、pa[#「a」は下付き小文字] が 0 と無限の中間のある値をとるとき、ゼロである。Oa[#「a」は下付き小文字] についていえば、この量は、pa[#「a」は下付き小文字]=0 となるとき、ゼロであり、pa[#「a」は下付き小文字] が正のある値をとってもなお、ゼロである。しかしなお pa[#「a」は下付き小文字] が増加すれば、この量も増加するけれども、無限には増加しない。それは、少くともある最大の値に達し、pa[#「a」は下付き小文字] がなお増加すれば、減少する。pa[#「a」は下付き小文字]=∞ となれば、それはゼロとなる。だから、Oa[#「a」は下付き小文字] がゼロであることを止める以前に、Da[#「a」は下付き小文字] がゼロとなって、解法不能となるのでなければ、Oa[#「a」は下付き小文字] と Da[#「a」は下付き小文字] とを相等しからしめる pa[#「a」は下付き小文字] のある値が存在する。この値を見出すには、もし Da[#「a」は下付き小文字]>Oa[#「a」は下付き小文字] ならば pa[#「a」は下付き小文字] を増加せねばならぬし、もしまた Da[#「a」は下付き小文字]<Oa[#「a」は下付き小文字] ならば、pa[#「a」は下付き小文字] を減少せねばならぬ。私共はここにも有効供給及び有効需要の法則を認める。

[#ここから1字下げ、折り返して3字下げ]
註一 需要曲線及び供給曲線のこの吟味を、利用曲線の逓減から演繹せられた二つの事実の説明によって補充するのが便利であろう。これらの二つの事実の一つは、一種の仮説として採られたもので(第四八節)、需要の曲線は常に逓減するということである。その二は、第一から演繹せられたもので、供給曲線は、価格の増加するに伴い、初めゼロから逓増し、次に逓減してゼロ(無限遠点において)に帰るということである(第四九節)。私は、これら二つの証明を、一般化して、任意数の商品の所有者間の任意数の交換の場合について行って、附録第一、価格決定の幾何学的理論、第一節、多数の商品間の交換について、のうちに述べておいた。
[#ここで字下げ終わり]
[#改ページ]

    第十章 稀少性すなわち交換価値の原因について

[#ここか
前へ 次へ
全143ページ中63ページ目


小説の先頭へ
文字数選び直し
ワルラス マリー・エスプリ・レオン の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ 登録 ご利用方法 ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング