格 pa[#「a」は下付き小文字] において、(B)の所有者(1)が供給するであろう(B)の量と、需要するであろう(A)の量とが、
[#ここから4字下げ]
ra,1[#「a,1」は下付き小文字]=pa[#「a」は下付き小文字]rb,1[#「b,1」は下付き小文字]
[#ここで字下げ終わり]
の関係をもっているとすれば、これらそれぞれの量 ob[#「b」は下付き小文字] と da[#「a」は下付き小文字] とは、この価格において供給せられるべき量に等しく、これらより少くもなければ、多くもない。
一般に、市場において二商品が与えられているとすると[#「市場において二商品が与えられているとすると」に傍点]、欲望満足の最大すなわち有効利用の最大は[#「欲望満足の最大すなわち有効利用の最大は」に傍点]、各所有者にとり[#「各所有者にとり」に傍点]、充足せられた最後の各満足の強度の比すなわち稀少性の比が[#「充足せられた最後の各満足の強度の比すなわち稀少性の比が」に傍点]、価格に等しくなったときに現われる[#「価格に等しくなったときに現われる」に傍点]。この均等が達せられない限り[#「この均等が達せられない限り」に傍点]、交換者は[#「交換者は」に傍点]、稀少性が自らの価格と他方の商品の稀少性との積より小さい商品を売り[#「稀少性が自らの価格と他方の商品の稀少性との積より小さい商品を売り」に傍点]、稀少性が[#「稀少性が」に傍点]、自らの価格と右の商品の稀少性との積より大なる商品を買うのが[#「自らの価格と右の商品の稀少性との積より大なる商品を買うのが」に傍点]、有利である[#「有利である」に傍点]。
だから、交換者は、二商品のうち、自分が所有する一商品の全量を供給するのが、利益であることもあり得べく、また相手の商品を全く需要せぬのが利益であることもあり得るであろう。この点については、後に説明しよう。
八一 方程式
[#ここから4字下げ]
ra,1[#「a,1」は下付き小文字]=pa[#「a」は下付き小文字]rb,1[#「b,1」は下付き小文字]
[#ここで字下げ終わり]
の中の ra,1[#「a,1」は下付き小文字] 及び rb,1[#「b,1」は下付き小文字] に、それらの値を置き換えれば、この方程式は
[#ここから4字下げ]
φa,1[#「a,1」は下付き小文字](da[#「a」は下付き小文字])=pa[#「a」は下付き小文字]φb,1[#「b,1」は下付き小文字](y)=pa[#「a」は下付き小文字]φb,1[#「b,1」は下付き小文字](qb[#「b」は下付き小文字]−ob[#「b」は下付き小文字])
=pa[#「a」は下付き小文字]φb,1[#「b,1」は下付き小文字](qb[#「b」は下付き小文字]−da[#「a」は下付き小文字]pa[#「a」は下付き小文字])
[#ここで字下げ終わり]
となる。この方程式は、pa[#「a」は下付き小文字] の函数としての da[#「a」は下付き小文字] を与える。何となれば、この方程式がこれら二つの変数の第二〔訳者註、da[#「a」は下付き小文字]〕に関して解かれているとすれば、この方程式は
[#ここから4字下げ]
da[#「a」は下付き小文字]=fa,1[#「a,1」は下付き小文字](pa[#「a」は下付き小文字])
[#ここで字下げ終わり]
という形をとるからである。これは、所有者(1)が(B)で(A)を需要する場合の需要曲線 ad,1[#「d,1」は下付き小文字]ap,1[#「p,1」は下付き小文字] の方程式を、まさしく表わしている。故に、方程式
[#ここから4字下げ]
r=φa,1[#「a,1」は下付き小文字](q) 及び r=φb,1[#「b,1」は下付き小文字](q)
[#ここで字下げ終わり]
が数学的に確定し得られれば、前の方程式もまた数学的に確定する。ただ右に記した方程式が数学的には確定していないために、方程式
[#ここから4字下げ]
da[#「a」は下付き小文字]=fa,1[#「a,1」は下付き小文字](pa[#「a」は下付き小文字])
[#ここで字下げ終わり]
は経験的に過ぎないものとなっている。
かくて、問題――二商品[#「二商品」に傍点](A[#「A」に傍点])、(B[#「B」に傍点])と各交換者に対するこれら二商品の利用曲線すなわち欲望曲線[#「と各交換者に対するこれら二商品の利用曲線すなわち欲望曲線」に傍点]、またはこれら曲線の方程式[#「またはこれら曲線の方程式」に傍点]、及びこれら商品の交換者の各々によって所有せられる量を与えて[#「及びこれら商品の交換者の各々によって所有せられる量を与えて」に傍点]、需要曲線を決定する問題[#「需要曲線を
前へ
次へ
全143ページ中52ページ目
小説の先頭へ
文字数選び直し
ワルラス マリー・エスプリ・レオン の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ
登録
ご利用方法
ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング