ネ線の中間的位置。五六 二商品相互間の交換の問題の解。五七 需要曲線の中に底辺が互に逆数であり、高さがそれぞれの面積に反比例する矩形《くけい》を挿入することによる幾何学的解。五八 代数的解。五九 価格の関数としての供給曲線を構成することによる二つの解の結合。六〇、六一 有効需要供給の法則すなわち均衡価格成立の法則。
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四九 ここでは、価格と有効供給との間には間接の関係しかなく、価格と有効需要との間にのみ直接の関係があると考えるのであるから、我々が研究せねばならぬのは後者である。
この研究のために、ここに小麦の所持者があるとする。この人は小麦を所有するが、燕麦を所有しない。そこで自分の消費のために、若干量の小麦を保留し、他の若干量の小麦を提供して、自家の馬を養うための燕麦と交換しようとしている。ところで彼が保留しようとする量及び提供しようとする量は、それぞれ燕麦の価格と、この価格で彼が需要しようとする燕麦の量に依存するであろう。いかに依存するか。私はそれを見ようと思う。価格零のとき(燕麦の一ヘクトリットルを得るために、小麦のゼロヘクトリットルを与えることを要するとき、すなわち燕麦が無償であるとき)、この人は欲するだけの燕麦を需要するであろう。換言すれば、自分が所有する一切の馬、否飼料が無償で得られるときに養われるべき一切の馬を飼養するに充分な量を需要するであろう。いうまでもなく彼は、これと交換に小麦を与えるのではない。次に価格が順次に[#式(fig45210_014.png)入る]だとすると(燕麦一ヘクトリットルを得るために、小麦[#式(fig45210_014.png)入る]を与えねばならぬとすると)、彼は次第にその需要を減ずるであろう。価格が 1, 2, 5, 10(燕麦一ヘクトリットルを得るために小麦 1, 2, 5, 10 を与えねばならぬとすれば)となれば、彼は更にその需要を減ずるであろう。そしてもちろんこれらと交換に彼が供給する小麦の量は、彼が需要する燕麦の量とこの燕麦の価格の積に常に等しい。更にまた価格が 100 というような高いものとなれば(一ヘクトリットルの燕麦を得るため 100 ヘクトリットルの小麦を与えることを要するとすれば)彼は少しの燕麦をも需要しないようになる。なぜならこの価格においては二頭の馬をも飼養し得ないであろうし、また飼養するを欲せぬであろうから。このときには、彼は、交換に何らの小麦をも供給しないであろうことは、いうまでもない。故に燕麦の有効需要は、価格が増加するに従って減少する。それは価格零においてのある数字に始まり、ある価格において零に終る。これに相応ずる小麦の有効供給は零から出発し、次第に増加し、最大に達し、再び零に帰る。
五〇 小麦のすべての所有者はもちろん、また一方のこれら小麦のすべての所有者のみならず、他方の燕麦のすべての所有者もまた、同一の性質とはいい得ないとしても、同様の傾向をもっている。一般に商品を所有してこれを他の商品と交換しようとして市場に現われる者は、せり上げの傾向をもっている。この傾向は可能的(virtuelle)であることもあり、有効(effective)であることもあるが、精密に決定せられ得べきものである。
(B)の qb[#「b」は下付き小文字] 量の所有者(1)が――以下代数記号で呼ぶ――市場に現われ、そのうちのある量 ob[#「b」は下付き小文字] を供給して、自分が需要する(A)の da[#「a」は下付き小文字] 量と交換するとすれば、方程式
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da[#「a」は下付き小文字]va[#「a」は下付き小文字]=ob[#「b」は下付き小文字]vb[#「b」は下付き小文字]
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により、彼は(A)の da[#「a」は下付き小文字] 量と(B)の[#式(fig45210_015.png)入る]を所持して帰っていくであろう。そしていかなる場合にも、量 qb[#「b」は下付き小文字], [#式(fig45210_016.png)入る] すなわち pa[#「a」は下付き小文字], da[#「a」は下付き小文字] 及び y の間には、常に次の関係がある。
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qb[#「b」は下付き小文字]=y+da[#「a」は下付き小文字]pa[#「a」は下付き小文字]
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qb[#「b」は下付き小文字] の所有者が qb[#「b」は下付き小文字] を知っているのは、いうまでもない。しかし市場に到着してみなければ、[#式(fig45210_016.png)入る]すなわち pa[#「a」は下付き小文字] がいかなるものであるかを知ることが出来ない。けれどもそこに到着すれば、
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