C pc,d[#「c,d」は下付き小文字] ……)
Dc,d[#「c,d」は下付き小文字]=Fc,d[#「c,d」は下付き小文字](pa,d[#「a,d」は下付き小文字], pb,d[#「b,d」は下付き小文字], pc,d[#「c,d」は下付き小文字] ……)
……………………………………
[#ここで字下げ終わり]
が得られる。このようにして、総数 m(m−1) 個の方程式が得られる。
一〇九 他方、新しい説明を加えることなく、(A)と(B)、(C)、(D)……との交換の交換方程式 m−1 個
[#ここから4字下げ]
Da,b[#「a,b」は下付き小文字]=Db,a[#「b,a」は下付き小文字]pb,a[#「b,a」は下付き小文字]
Da,c[#「a,c」は下付き小文字]=Dc,a[#「c,a」は下付き小文字]pc,a[#「c,a」は下付き小文字]
Da,d[#「a,d」は下付き小文字]=Dd,a[#「d,a」は下付き小文字]pd,a[#「d,a」は下付き小文字]
…………………
[#ここで字下げ終わり]
を立てることが出来る。また(B)と(A)、(C)、(D)……との交換方程式 m−1 個
[#ここから4字下げ]
Db,a[#「b,a」は下付き小文字]=Da,b[#「a,b」は下付き小文字]pa,b[#「a,b」は下付き小文字]
Db,c[#「b,c」は下付き小文字]=Dc,b[#「c,b」は下付き小文字]pc,b[#「c,b」は下付き小文字]
Db,d[#「b,d」は下付き小文字]=Dd,b[#「d,b」は下付き小文字]pd,b[#「d,b」は下付き小文字]
…………………
[#ここで字下げ終わり]
を立てることが出来る。更にまた(C)と(A)、(B)、(D)……の交換の方程式 m−1 個
[#ここから4字下げ]
Dc,a[#「c,a」は下付き小文字]=Da,c[#「a,c」は下付き小文字]pa,c[#「a,c」は下付き小文字]
Dc,b[#「c,b」は下付き小文字]=Db,c[#「b,c」は下付き小文字]pb,c[#「b,c」は下付き小文字]
Dc,d[#「c,d」は下付き小文字]=Dd,c[#「d,c」は下付き小文字]pd,c[#「d,c」は下付き小文字]
…………………
[#ここで字下げ終わり]
を立てることが出来る。更にまた(D)と(A)、(B)、(C)……の交換の方程式 m−1 個
[#ここから4字下げ]
Dd,a[#「d,a」は下付き小文字]=Da,d[#「a,d」は下付き小文字]pa,d[#「a,d」は下付き小文字]
Dd,b[#「d,b」は下付き小文字]=Db,d[#「b,d」は下付き小文字]pb,d[#「b,d」は下付き小文字]
Dd,c[#「d,c」は下付き小文字]=Dc,d[#「c,d」は下付き小文字]pc,d[#「c,d」は下付き小文字]
…………………
[#ここで字下げ終わり]
が得られる。すなわち総数 m(m−1) 個の交換方程式を立てることが出来る。
これら m(m−1) 個の交換方程式と m(m−1) 個の有効需要の方程式とを合せ、2m(m−1) 個の方程式が得られる。ところで未知数もまた 2m(m−1) 個である。けだし二つずつ互に交換せられるm種の商品に対しては、m(m−1) 個の価格と m(m−1) 個の交換合計量とがあるからである。
一一〇 交換の特殊の場合である二商品間の交換の場合及び三商品相互間の交換の場合には、問題は、幾何学的にも、代数的にも、解かれ得る。なぜならこれら二つの場合には、需要の函数が幾何学的に表現せられ得るからである。二商品の交換の場合には、需要函数は一変数の函数であって、二つの曲線によって表わされ得る。三商品の交換の場合には、需要函数は二つの変数の函数であって、六個の面積によって表わされ得る。前の場合の幾何学的解法は、曲線のうちに単に矩形を画くことにあるし、後の場合のそれは曲面と平面とを交わらしめて得る曲線のうちに矩形を画くことにある。
しかるに一般的な場合には、需要の函数は m−1 個の変数の函数であって、空間のうちには表わし得られない。この場合の問題が、幾何学的にではなく、代数的に提出し、解かれなければならない理由はここにある(一)[#「(一)」は行右小書き]。しかしここでも忘れてはならないが、問題を提出し、これを解くことは、与えられるいかなる場合にも、問題を実際に解くのではなくして、市場に経験的に与えられかつ解かれている問題の性質を科学的に解釈するというだけのことである。この観点から見ると、代数的解法は幾何学的解法と同等の価値があるという以上に、解析的解法を採用すれば、傑《すぐ》れた一般的で科学的な解法を採用したということが出来よう。
一一一 このようにして多数の商品の間の交換の問題は解けたように見える。しかし実は半ばしか解けていない。上に限定した条件の下では、市場に二つずつの商品の価格のある均衡があるわけである。だがそれは不完全均衡に過ぎない。市場の完全均衡[#「市場の完全均衡」に傍点](〔e'quilibre parfait〕)または一般的均衡[#「または一般的均衡」に傍点](〔e'quilibre ge'ne'ral〕)は、任意の二つずつの商品の一方で表わした価格が[#「任意の二つずつの商品の一方で表わした価格が」に傍点]、任意の第三の商品で表わしたそれらそれぞれの商品の価格の比に等しくなければ[#「任意の第三の商品で表わしたそれらそれぞれの商品の価格の比に等しくなければ」に傍点]、実現し得ない[#「実現し得ない」に傍点]。これを証明せねばならないが、そのために例えば多くの商品の中の(A)、(B)、(C)の三つを採り、価格 pc,b[#「c,b」は下付き小文字] は、価格 pc,a[#「c,a」は下付き小文字] と pb,a[#「b,a」は下付き小文字] との比より大であるかまたはより小であると想像し、それからいかなる結果が生ずるかを見よう。
推論の正確を期するため、すべての商品(A)、(B)、(C)、(D)……等の交換が行われる市場として役立つ場所が、二商品ずつ交換せられる部分的市場に分れると想像する。他の表現をもってすれば、市場が、交換せられる商品の名称及び上に記した方程式のシステムによって数学的に決定せられる価格を指示する標識をもって区別せられる[#式(fig45210_071.png)入る]個の特別の市場に分たれると、想像する。しからば“互に逆数の価格 pa,b[#「a,b」は下付き小文字], pb,a[#「b,a」は下付き小文字] で行われる(A)と(B)、(B)と(A)との交換”、“互に逆数の価格 pa,c[#「a,c」は下付き小文字], pc,a[#「c,a」は下付き小文字] で行われる(A)と(C)、(C)と(A)との交換”、“互に逆数の価格 pb,c[#「b,c」は下付き小文字], pc,b[#「c,b」は下付き小文字] で行われる(B)と(C)、(C)と(B)との交換”、があるわけである。これだけを前提とし、もし、(B)及び(C)を欲する(A)の各所有者が右の第一及び第二の特別市場で、この(A)を(B)及び(C)と交換するに止まるとすれば、またもし、(A)及び(C)を欲する(B)の各所有者が右の第一及び第三の特別市場で、この(B)を(A)及び(C)と交換するに止まるとすれば、またもし(A)及び(B)を欲する(C)の各所有者が第二及び第三の特別市場で、この(C)を(A)及び(B)と交換するに止まるとすれば、均衡はこれらの状態の下において保たれる。だが容易に了解し得るように、(A)の所有者も、(B)の所有者も、(C)の所有者も、この交換の方法を採用しないであろう。彼らはいずれも、自分に最も有利であろう所の方法で交換を行うであろう。
一一二 そこで、まず α>1 であるとし、
[#ここから4字下げ]
[#式(fig45210_072.png)入る]
[#ここで字下げ終わり]
すなわち
[#ここから4字下げ]
[#式(fig45210_073.png)入る]
[#ここで字下げ終わり]
であると仮定する。
この方程式から、(B)で表わした(C)の真の価格は、pc,b[#「c,b」は下付き小文字] ではなくして、[#式(fig45210_074.png)入る]であるという結果が出てくる。なぜなら、商品(A、B)の市場において、(B)で表わした(A)の価格が[#式(fig45210_075.png)入る]であるときには、(B)の[#式(fig45210_074.png)入る]で、(A)の[#式(fig45210_076.png)入る]が得られるからであり、商品(A、C)の市場において、(A)で表わした(C)の価格が[#式(fig45210_077.png)入る]であるときは、(A)の[#式(fig45210_076.png)入る]で、(C)の[#式(fig45210_073.png)入る]が得られるからである。
また(A)で表わした(B)の真の価格も pb,a[#「b,a」は下付き小文字] ではなくして、[#式(fig45210_078.png)入る]であるという結果が出てくる。なぜなら、商品(A、C)の市場において、(A)で表わした(C)の価格が[#式(fig45210_077.png)入る]であるときには、(A)の[#式(fig45210_078.png)入る]で、(C)の[#式(fig45210_079.png)入る]が得られ、商品(B、C)の市場において、(C)で表わした(B)の価格が[#式(fig45210_080.png)入る]であるときには、(C)の[#式(fig45210_079.png)入る]で、(B)の[#式(fig45210_081.png)入る]が得られるからである。
最後にはまた、(C)で表わした(A)の価格も pa,c[#「a,c」は下付き小文字] ではなく、[#式(fig45210_082.png)入る]である。なぜなら、商品(B、C)の市場において、(C)で表わした(B)の価格が[#式(fig45210_080.png)入る]であるとき、(C)の[#式(fig45210_082.png)入る]で、(B)の[#式(fig45210_083.png)入る]が得られ、商品(A、B)の市場において、(B)で表わした(A)の価格が[#式(fig45210_075.png)入る]であるとき、(B)の[#式(fig45210_083.png)入る]で、(A)の[#式(fig45210_084.png)入る]が得られるからである。
一一三 この点を具体的数字によって明らかにするため、pc,b[#「c,b」は下付き小文字]=4, pc,a[#「c,a」は下付き小文字]=6, pb,a[#「b,a」は下付き小文字]=2 であると仮定すれば、α=1.33 となる。しからば式
[#ここから4字下げ]
[#式(fig45210_085.png)入る]
[#ここで字下げ終わり]
から、(B)で表わした(C)の真の価格は4ではなく、[#式(fig45210_086.png)入る]であるという結果が出てくる。なぜなら、商品(A、B)の市場において(B)で表わした(A)の価格が[#式(fig45210_010.png)入る]であるときは、(B)の3で、(A)の 3×2=6 が得られ、また商品(A、C)の市場において、(A)で表わした(C)の価格が6であるときには、(A)の6で、(C)の[#式(fig45210_087.png)入る]が得られるからである。
なおまた、(A)で表わした(B)の真の価格は2ではなく、[#式(fig45210_088.png)入る]であるという結果が出てくる。なぜなら、商品(A、C)の市場で、(A)で表わした(C)の価格が6であるときは、(A)の 1.50 で、(C)の[#式(fi
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