udoise des sciences naturelles.〕 一八九九年所載)は純理論の研究であって、これらは本書中に収められている。〔D'une me'thode de re'gularisation de la variation de valeur de la monnaie〕(一八八五年); 〔The'orie de la monnaie〕(一八八六年); 〔Le proble'me mone'taire〕(一八八七年―一八九五年)は応用論の研究であって、これらは 〔E'tudes d'e'conomie politique applique'e〕 中に収められている。
(訳者註) 〔"encaisse de'sire'e"〕 はケインズの交換方程式におけるkと等しい意味をもっている。
註八 ここで自由競争の制度というのは、用役をせり下げつつ売る者及び生産物をせり上げつつ買う者の自由競争の制度を意味する。企業者の自由競争の場合には、一八八節に説明するように、これのみが価値を生産費の高さに一致せしめる唯一の方法ではない。また応用経済学は、この制度が常に最良の制度であるか否かを問わねばならない。
註九 メンガーの論文とベェーム=バウェルク氏の著書とは、〔Revue d'e'conomie politique〕(一八八八年十一、十二月、一八八九年、三、四月)によく分析されている。
註一〇 次の一節は本書第二版(一八八九年五月)の序文の一節そのままである。たとい私が、私の著書のうちでは、貯蓄の函数を経験的に導き出していても、既にこの序文のうちで、あるいは純収入率の増加函数としてあるいはその減少函数として、演繹的にこれを導き出す方法を示しているのを、読者は知られるであろう。
註一一 これら数理経済学の文献は、古い数理経済学文献と共に、M. T. N. Bacon が英訳したクールノーの訳書の巻末に I. Fisher が載せた数理経済学文献中に詳《つまびら》かである。この訳書は Economic Classics 中の一冊として一八九七年に公にされた。
[#ここで字下げ終わり]
[#改丁]
  第一編 経済学及び社会経済学の目的と分け方
[#改丁]

    第一章 スミスの定義とセイの定義

[#ここから8字下げ]
要目 一 定義の必要。二 フィジオクラシー。三 スミスによって経済学に課せられた二つの目的。(一)人民に収入すなわち豊富な生活を得せしめること。(二)国家に充分な収入を与えること。四 第一の観察。二つの目的は等しく重要であるが、いずれも本来の科学の目的ではない。経済学については別の見解がある。五 第二の観察。二つの活動は等しく重要であるが、異る性質をもっている。前者は利益、後者は公正。六 セイが考察した経済学は富が形成せられ、分配せられ、消費せられる方法の単なる記述である。七 自然主義者の見解は社会主義の排撃を容易ならしめるが部分的に不正確である。富の生産または分配については人は最も有用なまたは最も公正な組合せを選ばねばならぬ。八 経験的な分け方。九 ブランキ及びガルニエの不完全な訂正。
[#ここで字下げ終わり]

 一 経済学の講義または概論の当初にまず、経済学それ自身、その目的、その分け方、その性格、その限界を限定せねばならない。私はこの義務を回避しようとは思わない。だが断っておかねばならぬが、この義務は、人々がおそらく想像するであろう以上に、果すに困難であり、簡単ではない。経済学の正しい定義は未だにないのである。既に経済学に与えられたすべての定義のうちで、科学上に獲得された真理の象徴である所の一般的で決定的な承認を得ているものは、一つとして無い。私はそれらのうち比較的に最も興味あるものを引用し批評し、しかる後私の定義を示すに努めたいと思う。そしてこれらのことをなす間に、我々が知っておかねばならぬ若干の著者名や著作名や時日等を挙げる機会を作るであろう。
 二 最初の重要な経済学者の集団はケネーとその弟子達である。彼らは共通の学説をもち、一つの学派を作った。彼らは自らこの学説をフィジオクラシー(社会の自然的統治を意味する)と呼んだ。今日彼らをフィジオクラットと呼ぶのは、この理由に基《もとづ》くのである。フィジオクラットの主な者は「経済表」の著者ケネーのほか、「自然的秩序と政治的社会の本質」(〔L'Ordre nature et essentiel des socie'te's politiques, 1767〕)の著者メルシエ・ド・ラ・リヴィエール(〔Mercier de la Rivie`re〕)、「フィジオクラシーまたは人類に最も有利な統治の自然的構成」(Physiocratie ou constitution natur
前へ 次へ
全143ページ中13ページ目


小説の先頭へ
文字数選び直し
手塚 寿郎 の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ 登録 ご利用方法 ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング