バークレーより
沖野岩三郎
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【テキスト中に現れる記号について】
《》:ルビ
(例)渡船《フェリー》で
|:ルビの付く文字列の始まりを特定する記号
(例)三百七|呎《フィート》の高塔から
[#]:入力者注 主に外字の説明や、傍点の位置の指定
(例)菅野《かんの》[#「菅野」は底本では「管野」]衣川氏だった
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サンフランシスコから渡船《フェリー》でオークランドに渡り、更にエス・ビーの電車で五哩程行くと、セミナリー・アヴェニュに出る。ここで下車して山手の方へ十町ばかり行くと、そこにユーカリプタスの森がある。その森の中には太平洋沿岸最古の女子大学ミルスカレッジがある。遠慮なくカレッジの庭を通りぬけて、三哩ばかり自動車を走らすと、ハイツに着く。
ハイツとは詩人ウオーキン・ミラー翁の住んでいた旧邸である。ウオーキン・ミラーといえば直ぐヨネ・ノグチを想い起すのが在米日本人であり、ヨネ・ノグチといえば直ぐウオーキン・ミラーを想い出すのは日本の詩人たちであろう。
ハイツは詩人ミラー翁を記念する為に、ミラーの死後千九百十九年に、オークランド市が買取って永久保存の公園としたミラー翁
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