アラメダより
沖野岩三郎

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【テキスト中に現れる記号について】

《》:ルビ
(例)葉山嘉樹《はやまかじゅ》君にいわしむれば

|:ルビの付く文字列の始まりを特定する記号
(例)汽船狸丸の筆者|葉山嘉樹《はやまかじゅ》君に

[#]:入力者注 主に外字の説明や、傍点の位置の指定
(例)出渡[#「出渡」はママ]を
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 アラメダの飛行場へ行った。
『飛行機に乗ろう?』
『およしなさい。落ちたら大変です。奥様に申訳がない。』
 それはミセス山田の制止であった。そこへのこのこやって来たのはプーシャイドという男。おれの飛行機は美しいから見せてやろうという。見るだけならというので、一行は柵の中に入って行った。そして飛行機エリオットを見ているうちに、つい乗りたくなってセエキスピアと二人で乗ってしまった。ミセス山田を地上に残して。
 千五百尺の上空に昇った。バークレーの町が遙か下に見える。オークランドの街上を豆のような自動車が走る。三百尺の高さだと誇る加州大学のベルタワーなんか、どこにあるやらわからない。
 飛んでるうちに思い出したは優秀船竜田丸内の会話であった。
 汽船狸丸の筆者|葉山嘉
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