恁《か》うして人々《ひと/″\》は刻々《こく/\》に死《し》の運命《うんめい》に逼《せま》られて行《ゆ》くお品《しな》の病體《びやうたい》を壓迫《あつぱく》した。お品《しな》の發作《ほつさ》が止《や》んだ時《とき》は微《かす》かな其《そ》の呼吸《こきふ》も止《とま》つた。
 夜《よ》は森《しん》として居《ゐ》た。雨戸《あまど》が微《かす》かに動《うご》いて落葉《おちば》の庭《には》を走《はし》るのもさら/\と聞《き》かれた。お品《しな》の身體《からだ》は足《あし》の方《はう》から冷《つめ》たくなつた。お品《しな》が死《し》んだといふことを意識《いしき》した時《とき》に勘次《かんじ》もおつぎもみんな怺《こら》へた情《じやう》が一|時《じ》に激發《げきはつ》した。さうして遠慮《ゑんりよ》をする餘裕《よゆう》を有《も》たない彼等《かれら》は聲《こゑ》を放《はな》つて泣《な》いた。枕元《まくらもと》のものは皆《みな》共《とも》に泣《な》いた。與吉《よきち》は獨《ひと》り死《し》んだお品《しな》の側《そば》に熟睡《じゆくすゐ》して居《ゐ》た。卯平《うへい》は取《と》り取《あへ》ずお品《しな》の手
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