もなあ」といつて又《また》發作《ほつさ》の苦惱《くなう》に陷《おちい》つた。
「勘次《かんじ》さん、俺《おら》死《し》んだらなあ、棺桶《くわんをけ》へ入《い》れてくろうよ……」勘次《かんじ》は聞《き》かうとすると暫《しばら》く間《あひだ》を隔《へだ》てて
「後《うしろ》の田《た》の畔《くろ》になあ、牛胡頽子《うしぐみ》のとこでなあ」お品《しな》は切《き》れ/″\にいつた。勘次《かんじ》は略《ほゞ》其《そ》の意《い》を了解《れうかい》した。
 お品《しな》はそれから劇烈《げきれつ》な發作《ほつさ》に遮《さへ》ぎられてもういはなかつた。突然《とつぜん》
「風呂敷《ふろしき》、/\」
と理由《わけ》の解《わか》らぬ囈語《うはごと》をいつて、意識《いしき》は全《まつた》く不明《ふめい》に成《な》つた。遂《つひ》には異常《いじやう》な力《ちから》が加《くは》はつたかと思《おも》ふやうにお品《しな》の足《あし》は蒲團《ふとん》を蹴《けつ》て身體《からだ》が激動《げきどう》した。枕元《まくらもと》に居《ゐ》た人々《ひと/″\》は各自《てんで》に苦《くる》しむお品《しな》の足《あし》を抑《おさ》へた。
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