を捻《ひね》つて默《だま》つて居《ゐ》た。
「どうでせうね先生《せんせい》さん」勘次《かんじ》も聞《き》いた。
「まあ大丈夫《だいぢやうぶ》だらうつて病人《びやうにん》へだけはいつて居《ゐ》たらいゝでせう」醫者《いしや》は耳語《さゝや》いた。
「お品《しな》、大丈夫《だいぢやうぶ》だとよ、夫《それ》から我慢《がまん》して確乎《しつかり》してろとよ」勘次《かんじ》は病人《びやうにん》の耳《みゝ》で呶鳴《どな》つた。
「そんでも俺《お》ら明日《あす》の日《ひ》まではとつても持《も》たねえと思《おも》ふよ。本當《ほんたう》に俺《お》ら大儀《こは》い[#「い」に「ママ」の注記]ゝなあ」お品《しな》は切《せつ》な相《さう》にいつた。齒《は》の間《あひだ》を漸《やうや》くに洩《も》れる聲《こゑ》は悲《かな》しい響《ひゞき》を傳《つた》へて然《し》かも意識《いしき》は明瞭《めいれう》であることを示《しめ》した。醫者《いしや》は遂《つひ》に極量《きよくりやう》のモルヒネを注射《ちうしや》して去《さ》つた。
 夜《よ》になつて痙攣《けいれん》は間斷《かんだん》なく發作《ほつさ》した。熱度《ねつど》は非常
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