これ》だけいつた。
「おとつゝあ待《ま》つてたよ、俺《お》ら仕《し》やうねえよ」お品《しな》は情《なさけ》なさ相《さう》にいつた。
「うむ、困《こま》つたなあ」卯平《うへい》は深《ふか》い皺《しわ》を蹙《しが》めていつた。さうして後《あと》は一|言《ごん》もいはない。お品《しな》の病状《びやうじやう》は段々《だん/\》險惡《けんあく》に陷《おちい》つた。醫者《いしや》はモルヒネの注射《ちうしや》をして僅《わづか》に睡眠《すゐみん》の状態《じやうたい》を保《たも》たせて其《そ》の苦痛《くつう》から遁《のが》れさせようとした。それでも暫《しばら》くすると病人《びやうにん》は復《ま》た意識《いしき》を恢復《くわいふく》して、びり/\と身體《からだ》を撼《ふる》はせて、太《ふと》い繩《なは》でぐつと吊《つる》されたかと思《おも》ふやうに後《うしろ》へ反《そりかへ》つて、其《その》劇烈《げきれつ》な痙攣《けいれん》に苦《くる》しめられた。
「先生《せんせい》さん、わたしや此《こ》れでもどうしたものでがせうね」お品《しな》は突然《とつぜん》に聞《き》いた。醫者《いしや》は只《たゞ》口髭《くちひげ》
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