》に暖氣《だんき》を欲《ほつ》して、茶釜《ちやがま》を掛《か》けた竈《かまど》の前《まへ》に懶《だる》い身體《からだ》を据《す》ゑて蹲裾《うづくま》つた。彼《かれ》は更《さ》らに熱《あつ》い茶《ちや》の一|杯《ぱい》が飮《の》みたかつたのである。彼《かれ》は竈《かまど》の底《そこ》にしつとりと落《お》ちついた灰《はひ》に接近《せつきん》して手《て》を翳《かざ》して見《み》た。まだ軟《やはら》かに白《しろ》い灰《はひ》は微《かすか》に暖《あたた》かゝつた。彼《かれ》はそれから大籠《おほかご》の落葉《おちば》を攫《つか》み出《だ》して茶釜《ちやがま》の下《した》に突込《つゝこ》んだ。與吉《よきち》も側《そば》から小《ちひ》さな手《て》で攫《つか》んで投《な》げた。卯平《うへい》の足《あし》もとには灰《はひ》を掩《おほ》うて落葉《おちば》が散亂《さんらん》した。落葉《おちば》は卯平《うへい》の衣物《きもの》にも止《とま》つた。卯平《うへい》は竹《たけ》の火箸《ひばし》の光《さき》で落葉《おちば》を少《すこ》し透《すか》すやうにして灰《はひ》を掻《か》き立《た》てゝ見《み》ても火《ひ》はもうぽ
前へ
次へ
全956ページ中849ページ目
小説の先頭へ
文字数選び直し
長塚 節 の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ
登録
ご利用方法
ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング