口《くち》へ入《い》れたり茶碗《ちやわん》の中《なか》へ撒《ま》いたりして幾杯《いくはい》かの飯《めし》を盛《も》つた。飯粒《めしつぶ》は茶碗《ちやわん》から彼《かれ》の胸《むね》を傳《つた》ひて土間《どま》へぼろ/\と落《お》ちた。彼《かれ》は土間《どま》に立《た》つた儘《まゝ》喫《た》べて居《ゐ》た。彼《かれ》は飯粒《めしつぶ》の少《すこ》し底《そこ》に残《のこ》つた茶碗《ちやわん》を膳《ぜん》の上《うへ》に轉《ころ》がしてばたりと飯臺《はんだい》の蓋《ふた》をした。卯平《うへい》は横臥《わうぐわ》した儘《まゝ》でおつぎが喚《よ》んだ時《とき》に來《こ》なかつた。おつぎが再《ふたゝ》び聲《こゑ》を掛《か》けて開墾地《かいこんち》へ出《で》てからも彼《かれ》は暫《しばら》く懶《ものう》い身體《からだ》を蒲團《ふとん》から起《おこ》さなかつた。彼《かれ》がふと思《おも》ひ出《だ》したやうに狹《せま》い戸口《とぐち》を開《あ》けて明《あか》るい外《そと》の埃《ほこり》に目《め》を蹙《しが》めて出《で》て行《い》つた時《とき》與吉《よきち》は慌《あわたゞ》しく飯臺《はんだい》の蓋《ふた》を
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