した處《ところ》であつた。
「汝《わ》りや、今日《けふ》はどうしてさうえに早《はえ》えんでえ」卯平《うへい》は太《ふと》い低《ひく》い聲《こゑ》で聞《き》いた。
「あゝ」と與吉《よきち》は脣《くちびる》を反《そ》らして洟《はな》を啜《すゝ》りながら
「先生《せんせい》そんでも、明日《あした》は日曜《にちえう》だから此《こ》れつ切《きり》で歸《けえ》つてもえゝつちつたんだ」
「午餐《おまんま》くつたか」卯平《うへい》はのつそりと飯臺《はんだい》の側《そば》に近《ちか》づいた。
「汝《わ》りや、爺《ぢい》が膳《ぜん》さかうだに滾《こぼ》して」と彼《かれ》は先刻《さつき》よりも低《ひく》い聲《こゑ》で
「おとつゝあに見《み》らつたら怒《おこ》られつから」斯《か》ういつて又《また》
「汝《わ》ツ等《ら》おとつゝあは怒《おこ》りつ坊《ぽ》だから」と沈《しづ》んで呟《つぶや》くやうにいつた。彼《かれ》は膳《ぜん》の上《うへ》に散《ち》つて居《ゐ》る飯粒《めしつぶ》を一つ/\に撮《つま》んで、それから干納豆《ほしなつとう》は此《こ》れも一つ/\に汁椀《しるわん》の中《なか》へ入《い》れた。汁椀《しる
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