》で掻《か》いたやうに聚《あつま》つて且《か》つ連《つらな》つて居《ゐ》る。凡《およ》そ櫟《くぬぎ》の木《き》程《ほど》頑健《ぐわんけん》な木《き》は他《た》に有《あ》るまい。乾燥《かんさう》した冬枯《ふゆがれ》の草《くさ》や落葉《おちば》に煙草《たばこ》の吸殼《すひがら》が誤《あやま》つて火《ひ》を點《てん》じて、それが熾《さかん》に林《はやし》を燒《や》き拂《はら》うても澁《しぶ》の強《つよ》い、表面《へうめん》が山葵《わさび》おろしのやうな櫟《くぬぎ》の皮《かは》は、黒《くろ》い火傷《やけど》を幹《みき》一|杯《ぱい》に止《とゞ》めても、他《た》の針葉樹《しんえふじゆ》に見《み》るやうではなく、春《はる》の雨《あめ》が數次《しば/\》軟《やはら》かに濕《うるほ》せば遂《つひ》にはこそつぱい皮《かは》の何處《どこ》からか白《しろ》つぽい芽《め》を吹《ふ》いて、粗剛《そがう》な厚《あつ》い皮《かは》の圍《かこ》みから遁《のが》れて爽快《さうくわい》な呼吸《こきふ》を仕始《しはじ》めたことを悦《よろこ》ぶやうにずん/\と伸長《しんちやう》して、遂《つひ》には伐《き》つても/\、猶且《や
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